俺タワーの終了が重い 積み直してきた塔がもう増築されない

俺タワーの終了が重い 積み直してきた塔がもう増築されない

俺タワー、終わった。

終わった。
けれど、それだけでは足りない。
一度終わって、別の足場に移って、さらに大きく組み替えられて、それでも続いてきたものが止まった。

塔を建てるゲームが、現実の側でも何度も積み直されてきた。
その積み直しが、2026年4月30日14時で止まった。

ここが重い。

毎日こつこつ俺タワー:
SEモバイル・アンド・オンライン運営のスマートフォン向け魔塔建築RPG
PCブラウザゲーム『俺タワー ~Over Legend Endless Tower~』のスピンアウト作品
Android版は2017年4月24日に開始
2026年4月9日にサービス終了を告知
2026年4月30日14時にサービス終了

終わったのは、アプリだけではない

サービス終了の告知は、公式サポートページと公式Xから出ている。
有償ジュエルの販売停止。
サービス終了日時。
特別ガチャ。
終了後にゲーム内情報を閲覧できなくなる可能性。

並んでいる言葉は、とても事務的です。
だから刺さる。

「終わります」ではなく、撤収の段取りとして出てくる。
ここが俺タワーらしい。

花火ではない。
爆発でもない。
現場の締め処理。

この温度が、妙に残る。

オンラインゲームの終わり方にはいろいろある。
大きな最終イベントで送り出すものもある。
長い沈黙のあとに、やっぱり終わったかと受け取るものもある。
俺タワーの場合は、そのどれとも少し違う。

長く使っていた作業場の灯りが、静かに落ちる感じ。
これが近い。

初代が終わったあと、すでに次の足場があった

俺タワー ~Over Legend Endless Tower~:
2014年9月2日に開始したPCブラウザゲーム
プレイヤーは魔塔建築士「オヤカタ」
工具や重機をモチーフにした「建姫」とともに塔を建てる作品
2017年5月1日13時にサービス終了

この2017年の並びが、今回の終了をただの長寿タイトル終了にしない。

初代『俺タワー ~Over Legend Endless Tower~』は2017年5月1日に終了した。
けれど『毎日こつこつ俺タワー』は、その少し前、2017年4月24日にAndroid版が始まっている。

終わってから思い出として復活した、ではない。
終わる前に、もう次の足場が組まれていた。

この時間差がすごく大事です。

普通なら、サービス終了はそこで線が切れる。
キャラクターも、呼び名も、日課も、そこで一度しまわれる。

でも俺タワーは、切れた線のすぐ横に別の線を引いた。
完全な継続ではない。
同じものでもない。
でも、名前と手触りは渡された。

この渡され方が、かなり俺タワーだった。

塔を建てる作品が、作品そのものを建て直している。
できすぎている。
でも、本当にそういう経緯をたどっている。

2021年の大型アップデートは、保存ではなく建て替えだった

大型アップデート:
2021年10月8日11時30分から実施
戦闘、建築、ガチャなどを大きく更新
DMMブラウザでもプレイ可能に
新建姫「搬送用コロ」も追加

さらに2021年10月8日、大型アップデートが入る。

ここも大きい。
俺タワーは、ただ昔の名前を残して細く続いたわけではない。
戦闘も建築もガチャも変えて、ブラウザでも遊べるようにして、もう一度プレイ環境を組み直している。

保存ではない。
建て替え。

古い塔を博物館にするのではなく、まだ使う建物として手を入れる。
この感覚がある。

だから今回の終了は、「長く続いたスマホゲームが終わった」だけではない。
初代からスマホ版へ。
スマホ版から大型アップデートへ。
スマホからブラウザへ。

何度か組み直してきた道筋が、ここで止まった。

塔は壊れたというより、もう増築されない。
この止まり方が、じわじわ効く。

オヤカタという呼び名が、別れを現場の話にする

オヤカタ:
俺タワーにおけるプレイヤーの呼称
魔塔建築士として建姫たちと塔を建てる立場
鑑賞者ではなく、現場を動かす側の名前

俺タワーの別れが妙に作業場っぽくなる理由は、たぶんここにある。

プレイヤーは「オヤカタ」。
王でもない。
提督でもない。
プロデューサーでもない。

オヤカタ。

この呼び名だけで、現場、段取り、資材、采配、そういう空気が入ってくる。
ゲームを見ていたというより、現場に通っていた感じになる。

だからサービス終了で空く穴も、少し違う。

物語が終わった。
キャラに会えなくなった。
もちろんそれもある。

でも、それだけではない。
朝の確認。
資材。
編成。
塔。
建姫。

手順が消える。

終わったのは劇場ではない。
長く使っていた現場。

この寂しさ、かなり独特です。

建姫という言葉の強さ

建姫:
工具や重機をモチーフにした少女たちの総称
建築と戦闘の両方でオヤカタを支える存在
滑車、半田ごて、クランプ、ランマーなど、現実の道具名がキャラクター名として響く

そして建姫。

ここが本当に変(褒め言葉)。

工具や重機の名前が、そのまま感情の言葉になる。
滑車一輪。
半田ごて。
C型クランプ。
ラジオペンチ。
ランマー。

字面だけ見ると、資材置き場かホームセンターです。
でも、オヤカタにとっては顔がある。
声がある。
癖がある。
一緒に積んだ時間がある。

この変換が強い。

最初から神話や伝説を背負った名前ではない。
日常の道具、工事の道具、現場の道具。
そこに人格と記憶が乗る。

すると、現実の言葉が少し変わる。
工具名が、ただの工具名ではなくなる。
ホームセンターで見かける語彙に、ゲームの記憶が引っかかる。

これ、かなり長く残るタイプの仕掛けです。

ゲームが終わっても、言葉は現実側に残る。
名前は残る。
でも、呼びに行く場所がなくなる。

ここが痛い。

攻略Wikiに残る「Ver3.0.0以前」が、塔の地層に見える

攻略Wikiを見ると、ところどころに「Ver3.0.0以前」という折り畳みがある。
これが妙に効く。

古い情報が消されていない。
現在の情報の下に、畳まれて残っている。

この見え方が、もう塔です。

上の階には今の俺タワーがある。
下の階には以前の仕様がある。
そのあいだに、大型アップデートという建て替えの線が入っている。

攻略情報の整理なのに、作品の履歴そのものに見えてしまう。
そういう瞬間がある。

俺タワーは、一度変わった。
でも変わる前をなかったことにはしなかった。
折り畳んで、下に残した。

この残し方が、今回の終了でいっそう重くなる。

最新のゲームが止まるだけではない。
下に畳まれていた古い階層まで、まとめて静かになる。

塔の地層。
そう見えてしまった。

「また戻るかも」は、ただの願望ではない

俺タワーの場合、「いつかまた戻るかも」と思ってしまうのは、ただの楽観ではない。
そう思わせる前例を、作品自身が作っている。

初代が終わる。
でもスマホ版が始まる。
スマホ版が続く。
大型アップデートで組み直される。
ブラウザでも遊べるようになる。

終わりが、何度か次の足場になってきた。

だから、今回もどこかで思ってしまう。
これで完全に最後なのか。
また別の形で塔が立つのか。
建姫たちは、どこかに移るのか。

ただし、ここは線を引く。

現時点で公式に出ているのは、2026年4月30日14時のサービス終了まで。
オフライン版、後継作、再始動が告知されているわけではない。

でも、期待してしまうこと自体は責められない。
俺タワーは、そういう期待の癖を育ててしまった作品だからです。

前例がある。
だから希望してしまう。
前例がある。
だから今回は違うかもしれない、と余計に身構える。

この二重の感じが、終了後の今も残っている。

積み直しが止まる

今回の終了で一番残る言葉は、やっぱり「積み直し」です。

俺タワーは塔を建てる作品だった。
でも、それだけではなかった。

サービスそのものが、何度か積み直されてきた。
初代からスマホ版へ。
スマホ版から大型アップデートへ。
スマホからブラウザへ。

仕様も、入口も、遊ぶ場所も変わった。
それでも、オヤカタと建姫と塔という感触は残った。

だから今回止まったのは、一本のアプリではない。
積み直してでも続ける、という態度そのものだ。

ここが大事。

塔は崩れたのではない。
もう、次の一段が積まれない。

その止まり方が、いちばん俺タワーだった。

参考ソース

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