いちばん先に来たのは、甘さではなく、グラスの縁に当たる氷の硬さだった。
『SUGAR HONEY ICE TEA』という名前から想像する舌の丸みより、MVのlime green、blue、pinkの発色と、腹の下で鳴る低音のほうが先に身体をつかむ。
BABYMONSTERのDigital Single『SUGAR HONEY ICE TEA』は、2026年6月8日に配信が始まり、同日にMusic Videoも公開された。
曲名は軽い飲み物のように置かれているのに、映像と音は軽く逃がしてくれない。
蜂蜜、砂糖、アイスティー、氷。
甘い単語が並んだ先で、マイクを持つ手、目線の切り返し、ステップの鋭さが、デザートの皿ではなくステージの床へ戻してくる。
名前は甘いのに、低音が先に喉を押す
『SUGAR HONEY ICE TEA』という曲名は、文字だけなら冷たい飲み物のメニューみたいに読める。
砂糖、蜂蜜、アイスティーという順番は、舌の上で丸く溶けるものばかりだ。
けれどMVを再生した瞬間、その甘さは喉をなでる前に、低音の圧でいったん押し返される。
YG Entertainmentのディスコグラフィでは、この曲にuptempo dance track、powerful bass line、addictive hook、summerという言葉が並んでいる。
ここで面白いのは、夏らしさが涼しげな背景としてではなく、身体を動かす速度として扱われているところだ。
飲み物の名前をしているのに、耳へ入ってくるのは氷のカランという軽い音より、床の奥から跳ねるベースの重さに近い。
SUGAR HONEY ICE TEA:
BABYMONSTERのDigital Single。
2026年6月8日リリース。
Track ListはDISC 1 / SUGAR HONEY ICE TEA。
YG Entertainmentのディスコグラフィで、uptempo dance track、powerful bass line、addictive hook、summer文脈が示されている。
タイトルの語感は甘い。
でも、曲の輪郭は甘さに沈まない。
フックは砂糖の粒みたいに小さく散るのではなく、同じ場所へ何度も戻ってきて、喉の奥に引っかかる。
その反復が、飲み物を味わう時間ではなく、ステップを踏み直す時間を作っている。
BABYMONSTERの声とビートは、ここで甘い単語を飾りとして消費しない。
むしろ、甘い名前を前に出すほど、音の芯が太く聞こえる。
冷たいグラスを持った指先のイメージと、ステージ上で踏み込む足の強さが、同じ画面の中でぶつかっている。
lime greenとblueとpinkが、甘さの温度を変える
MV側でまず残るのは、色の温度差だ。
lime green、blue、pink、soft pink、grayのトーンは、甘い飲み物をかわいく並べるための背景に収まらない。
ライムグリーンは蜂蜜の粘度を切り、ブルーは氷の冷たさを広げ、ピンクはデザートの柔らかさをいったん見せてから、目線の強さで引き締める。
SUGAR HONEY ICE TEA M/V:
BABYMONSTERのYouTubeチャンネルで公開されたMusic Video。
動画IDはnaoGk-Zjc1s。
2026年6月8日に公開され、埋め込み再生が可能な状態で確認されている。
特設ページのMOVIEセクションも同じ動画IDを参照している。
2026年6月4日に公開されたM/V teaserの段階でも、lime green、blue、pink tonesはこの曲の入口として示されていた。
その色は、夏を説明する色ではなく、夏の光で輪郭を削る色に見える。
甘い小物を置いても、画面全体がふわっと溶けないのは、色の角が残っているからだ。
氷、蜂蜜、砂糖、アイスティー、グラス、デザート。
並べるだけなら、やさしい質感へ寄せられるものばかりだ。
それでもMVでは、グラスの透明感が目線の強さを薄めないし、デザートの色がステップの切れ味を丸めない。
甘い物が画面にあるほど、パフォーマンスの線がむしろ見えやすくなる。
ここでの色は、かわいさを保証するラベルではなく、音の跳ね方を目で受けるための装置になっている。
低音が腹で鳴るたびに、lime greenは少し酸っぱく見え、blueは氷の厚みを増し、pinkは甘さより視線の圧へ傾く。
色が甘さを支えているのに、その甘さを安全な場所へ置いてくれない。
デザートの小物が、パフォーマンスの線を太くする
このMVで面白いのは、小物がかわいい方向へ逃げないことだ。
砂糖も蜂蜜もアイスティーも、見た目には柔らかい。
けれど、それらが置かれることで、BABYMONSTERの目線、指、マイク、ステップの硬さがかえって浮き上がる。
BABYMONSTER:
YG ENTERTAINMENT所属のガールズグループ。
Sony Music Japanのプロフィールで、RUKA、PHARITA、ASA、AHYEON、RAMI、RORA、CHIQUITAの7人構成、2024年4月1日正式デビューが確認できる。
今回のDigital Singleをリリースし、Music Videoを公開した。
グラスは休憩の象徴にも見える。
けれどMVの中では、グラスの透明さがむしろ距離を作る。
こちらが飲み物を見るつもりで近づくと、その向こうから目線が返ってくる。
甘いものを眺めているはずが、いつの間にかパフォーマンスに見られている感覚になる。
マイクが入ると、その距離はさらに短くなる。
デザートの皿や冷たい飲み物は、手元に置けるサイズの物だ。
一方で、マイクは声を前へ飛ばす物で、視線は画面の奥からこちらへ抜けてくる。
小物のかわいさとマイクの直線が同居することで、甘い名前の曲が、ステージ上の圧を隠さないまま進んでいく。
身体の見せ方も、甘いムードへ沈ませていない。
ここで読めるのは、個人の内面や私生活ではなく、映像の中で組み立てられた目線と動作の強度だ。
指がグラスへ触れる小さな動きと、足がビートへ入る大きな動きが、同じ曲名の中で別々の温度を持っている。
CHOOMから約1か月、夏の入口で速度を変える
時系列を置くと、このDigital Singleは短い間隔で差し込まれていることがわかる。
2026年5月25日にYG Entertainmentが新Digital Singleの6月8日リリースを発表し、6月1日にグループビジュアル、6月4日にM/V teaser、6月8日に配信開始とMusic Video公開へ進んだ。
公開直後の入口として見ると、情報の量より、音と色の切り替えの速さが先に印象へ残る。
CHOOM:
BABYMONSTERの3rd MINI ALBUM。
YG Entertainmentは、CHOOM後約1か月での新Digital Singleとして『SUGAR HONEY ICE TEA』の流れを説明している。
『SUGAR HONEY ICE TEA』は、2026年6月8日に配信開始とMusic Video公開が行われたDigital Single。
CHOOM後約1か月という近さは、楽曲の軽さを意味しない。
むしろ『SUGAR HONEY ICE TEA』は、次の大きな展開までの隙間に置かれた一口ではなく、夏の入口で音の舵を切るための一杯に見える。
冷たい飲み物の名前を持ちながら、喉を通る前にベースが腹を叩くからだ。
夏という言葉も、ここでは海や青空の記号へ閉じていない。
汗ばむ季節に冷たいグラスを持つ感覚、氷が溶ける前の短い硬さ、甘い飲み物を口に入れる直前の喉の乾き。
その身体感覚が、uptempo danceの速度とつながっている。
曲名の甘さと、MVの色と、ベースの重さ。
この三つがきれいに溶け合うのではなく、少しずつズレたまま画面を進むから、BABYMONSTERのパフォーマンスは輪郭を失わない。
最後に残るのは、溶けた氷の薄さではなく、グラスの底で鳴り続ける低音と、マイクの前でこちらへ戻ってくる目線だ。
参考ソース
- Sony Music Japan BABYMONSTER news
- BABYMONSTER Japan release news
- BABYMONSTER special page
- YG Entertainment discography
- BABYMONSTER – SUGAR HONEY ICE TEA M/V
- BABYMONSTER X announcement
- YG Entertainment report 2026-05-25
- YG Entertainment report 2026-06-01
- YG Entertainment report 2026-06-04
- Sony Music Japan BABYMONSTER profile
- Kstyle
- Billboard JAPAN